この度、日本臨床検査医学会第66回学術集会の当番校を仰せつかることになりました。岡山では8年ぶりの開催となります。ここに謹んでご挨拶申し上げます。
　臨床検査医学は基礎医学の成果を臨床医学に応用し、近代的医療の実践に直接的に貢献する「臨床検査」の基盤を成す広大な学問体系であります。過去数十年にわたる医学・医療の発展は臨床検査の進歩なくして語れませんが、逆に医学・医療の進歩が新たな臨床検査を生み出す契機ともなってまいりました。
　今回の学術集会は、基礎的研究、開発研究、実践的研究、症例・事例検討報告から教育的分野に至るまで、臨床検査医学をあらゆる角度から捉え、議論できる場になればと考えております。そして臨床検査から他の分野へ、社会へメッセージを発信したいとの思いをそのまま学術集会テーマとさせていただきました。昨年制定・施行された改正医療法等によって、臨床検査の位置づけが明文化されると同時に、それを担当する側の責務が一段と重要になりました。当学会は広く学際的な見地のみならず、国の施策と行政の方向性、社会のニーズにも敏感でなくてはなりません。
　かような状況の中で、ご参加の皆さまが臨床検査を通じて相互に交流するためのプラットフォーム作りが当番校の役割ですので、演題登録時期がまいりましたらぜひ一般演題を多数ご登録いただきますよう、よろしくお願いいたします。また臨床検査技師の方々へのお願いですが、例年当学術集会では臨床検査の実学的内容が多々紹介されますので、日々検査現場におられる臨床検査技師の皆さまにとっても身近なテーマがとても多いと思われます。日本医学検査学会の賑わい振りをよく存じ上げておりますが、ぜひ臨床検査医学会も参加・発表の場にしていただければと思います。
　11月下旬の岡山は紅葉の盛りで、ちょうど学術集会期間中は、特別名勝・岡山後楽園の園内がライトアップされます（秋の幻想庭園）。どうかこれもお見逃しなく。
　本大会がご参加の皆さまにとって、有意義かつ記憶に残る集いとなることを祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。